先日、ある動画を見ていたときに、作家・佐藤愛子さんの人生を知りました。
佐藤愛子さんは、『九十歳。何がめでたい』などで知られる直木賞作家です。
彼女の人生は決して順風満帆なものではありませんでした。
20歳で結婚した最初の夫は、戦地から戻ったあとモルヒネ中毒に苦しみ、別居の末に死別。
その後、作家の田畑麦彦さんと再婚しますが、夫が経営していた会社が倒産します。
その負債総額は、なんと2億円。
法的には返済する責任がなかったにもかかわらず、佐藤愛子さんは、そのうち3500万円以上を肩代わりしたといわれています。
今の金額に置き換えなくても、途方もない金額です。
まだ売れっ子作家でもなかった佐藤さんは、原稿を書き続けて借金を返済しました。
そして、その壮絶な体験をもとに書いた『戦いすんで日が暮れて』で、45歳のときに直木賞を受賞します。
夫婦関係の破綻も、借金も、裏切りもあった。
けれど佐藤さんは、それらを「失敗した人生」として終わらせず、自分の言葉で作品にし、自分の人生として生き切りました。
その生き方に触れて、私は考えました。
成功とは、
名誉やたくさんお金があること、
傷つかないことでも、間違った選択をしないことでもない。
思いどおりにならなかった人生も含めて、
「私は、こう生きた」
と言えることなのではないか、と。
私自身も夫が信頼していた人からの裏切りで
詐欺に遭い、
1億円の負債を抱えたことがありました。
何度も、
「どうして信じてしまったんだろう」
「なぜ気づけなかったんだろう」
と自分を責めました。
悔しかったし、情けなかったし、
簡単に「あれは意味のある経験だった!」とは言えませんでした。
詐欺は詐欺です。
悪いのは騙した側であり、
傷ついた経験を無理に美談にする必要もありません。
ただ私は、その出来事に、
その後の人生まで奪わせたくなかった
だから、この体験のおかげで
私は自分はどんなに幸せになることができたのか。
「この体験のおかげで、素晴らしい未来を手に入れることができた!」
を心の中で何万回も繰り返していました。
そのおかげで、今の私がします
これは、夫婦関係や、
時にはセックスにも通じると思います。
夫婦を続けられたら成功で、
離婚したら失敗なのでしょうか。
レスが解消したら成功で、
セックスができなければ愛がないのでしょうか。
濡れること。
勃起すること。
挿入できること。
オーガズムを感じること。
それらを達成できれば、
「よいセックス」という定義に当てはまるのでしょうか。
本当に大切なのは、
一般的な正解を達成することではなく、
70億分の1人の、
私という人間は
本当はどう生きたいのか。
この人と、どんな関係を築きたいのか。
私の身体や細胞は、何を喜び、何を嫌がっているのか。
愛するという言葉のもとで、自分を犠牲にしていないか。
性と向き合うことは、
自分の身体だけでなく、自分の命の声と向き合うこと。
何を成し遂げたかよりも、
「私は、自分を置き去りにせず、この命を生きた」
そう言えることが、

本当の成功なのかな、と感じました。
